私の名前はジロギン。
一人暮らしって、心細くて、どこか怖さがありますよね。
事件や事故が起こった時に、自分一人で対応できるだろうか・・・?
そんな不安が、さらに怖さを感じさせます。
不安が大きくなるごとに、ちょっとした物音でも怖く感じてしまうものです。
今回は、一人暮らしをしている、ある女子大生のお話。
Fさん(18歳)は大学進学をきっかけに、愛知県から東京都に引っ越してきました。
実家を離れて、初めての一人暮らし。
犯罪に巻き込まれたり、火事を起こしてしまったり、生活費が足りなくなってしまったり・・・不安はたくさんありました。
Fさんが暮らし始めたアパートは、住宅街にある築40年近いボロアパート。部屋は2階の「205号室」。
さびた鉄製の、太った人が乗れば足を踏み抜いてしまいそうな階段を上って、廊下の一番奥にある部屋。
廊下は、周りの建物の関係で昼間でも薄暗く、夜はさらに不気味。たまに蛍光灯が切れかけて、電気がバチバチとなっていることも。
お化けが出ても逆におどろかないくらい、不気味な雰囲気でした。
Fさんは学生で、収入はアルバイト代しかありません。実家から仕送りしてもらっているものの、あまり裕福はできない経済状態。
どうしても、古くて家賃の安いアパートに住むしかなかったのです。
一人暮らしを始めて3ヶ月ほどが経った夏。
その日、Fさんはアルバイトで帰りが遅くなり、アパートに着いたのは夜の0時過ぎ。
周りには人の気配もなく、街は完全に寝静まっていました。
静かな夜はいいものですが、静かすぎると、アパートの廊下がさらに怖く感じてしまいます。
Fさんは階段を上がり、廊下に差し掛かりました。
勇気を出して1歩1歩自分の部屋に近づくFさん。
あと少し、204号室を通り過ぎようとした瞬間に
「おかえり」
野太い男の声が聞こえました。
Fさんは、隣に住む204号室の住人とは面識はなく、どんな人が住んでいるかも知りません。
Fさんはすぐに、引っ越すことを決めました。
それでは、おやすみなさい。